4. 使用素材について
ガムプリントは写真の印画法の中でも、最もシンプルな部類に入る。主要な素材は紙と顔料とアラビアゴムで、感光化するために使用する薬品はひとつだけである。現像は水でおこなう。
3. 野島康三ガムプリント作品の素材・技法
以前、野島の1930年代のブロムオイルの作品は数点みたことがあったが、ガムプリント作品はもとより、これだけまとまった量の野島作品を見るのは初めてだった。
2. 日本の写真史とガムプリント
10年以上前からデジタル写真が普及し、現在では「写真」という言葉は、プリントされた紙のことではなく画像データを指すようになった。
1. 野島康三について
野島 康三(のじま やすぞう 1889年2月12日-1964年8月14日)は、日本の戦前期を代表する写真家のひとり。美術に対する積極的なディレッタントとしても有名。
写真作品は、初期のピクトリアリスムの絵画的な作品から、当時の流行に合わせてストレートな表現に移行した。ピクトリアスムの頃のポートレート等が現在も評価されている。
野島康三のネガからガムプリントを作る
野島康三(1889-1964)が「芸術写真」の時代に手がけたガムプリント(ゴム印画)は、同時代においても、そしてその後この技法が用いられなくなってから現在に至るまで、写真史上に類を見ないほどの完成度に達しているものであった。