プロセスのオプション


卵白液

・界面活性剤

卵白液にtween20などの界面活性剤を1滴加えると、紙に塗布した時に泡が残るトラブルが減る。しかし流動性が高くなるために、一回の塗布では十分な量が紙に残らない可能性もある。その場合は卵白液を複数回塗布する。

・液の保存

スーパーなどで売っている、銀イオンを利用した弁当用抗菌シートを入れておくと常温でも数ヶ月保つ。冷蔵庫にいれておけるとなおいい。保存料としてクエン酸ナトリウムを添加する処方もある。その場合、卵白液300ccに対してクエン酸ナトリウムを9g。
ただし、印画紙の感度の低下などの影響があるかもしれない。

硝酸銀溶液

・コントラスト調整

重クロム酸カリウムの6%溶液を1滴添加すると、コントラストが少し上がる。
茶褐色の沈殿物が発生した場合は、ろ紙で濾過して取り除く。

※重クロム酸塩は劇物のため注意が必要。生活スペースでは取り扱わないこと。
作業着、マスク、ゴーグル、手袋を着用し、作業前後には必ず作業スペースの拭き掃除を行う。

定着

・2浴定着

保存性を高めるためには定着を完全に行う必要がある。定着液は処理を行うと疲労して処理能力が落ちていく。また空気に触れると劣化していく。そのため、効率よく完全な定着を行うために、定着を2回に分けることがある。バットを2つ用意し、片方にはやや疲労した定着液を入れ、もうひとつには新鮮な液を入れる。最初にやや疲労した定着液で処理し、次に新鮮な液で完全に処理する。ある程度使用すると、疲労した方は廃棄し、残った方を次の最初の処理液として使う。こうすることで、定着液の劣化を効率よくコントロールすることができる。

仕上げ

・水洗促進剤

プリントの保存性を高めるには定着後の水洗を十分行う必要がある。
市販の印画紙用水洗促進剤が使える。
十分に水ですすいで処理すれば、亜硫酸ナトリウムの2%溶液で代用できる。
処理例として、定着後に流水で水洗2分→亜硫酸ナトリウム溶液で処理2分〜5分→流水で水洗30分

・AGガード

鶏卵紙はそのままでは銀粒子が安定しないため退色するのが比較的早い。AGガードで処理すると、プリントの色調を変えずに安定性を高めることができる。AGガードはFUJIFILMの製品。暗室用品の扱いがあるカメラ店で購入できる。

・トーニング

銀粒子を置き換えることでプリントの安定性を高める処方。プリントの色調が変化する。

多くの処方がある。金調色とセレニアム調色がよく行われる。

  • 金調色
保存液A
蒸留水 490cc
塩化金 1%溶液 10cc
保存液B
蒸留水 500cc
チオシアン酸ナトリウム 10g

処理液
保存液A 50cc
保存液B 50cc
蒸留水 900cc

保存液A、Bを混合して処理液として使う。処理液は劣化が速いので注意。露光、水洗を終え、定着する前のプリントを処理する。トーニング後に定着する。プリントの色調は、暗い黒褐色に変化する。

  • セレニアム調色
保存液
硫化ナトリウム 50g
粉末セレン 3.4g
蒸留水 500cc

保存液はそのままでも調色に使用できるが、処理時間を長く取る場合は希釈して使用する。定着、水洗を完全に終えたプリントを処理する。プリントの色調は紫がかった褐色になる。

・バーニッシュ

水彩画用のバーニッシュを吹き付けてプリントの表面を保護することができる。製品によっては、物理的な保護に加えて退色の原因になる紫外線のカットも期待できる。トーンが若干変化するためテストが必要。光沢感の異なる製品があり、絵柄や紙質に応じて使い分けできる。